一般的には、新築のマンションと比較すると、中古マンションの魅力は価格の安さです。
ただし、中古マンションと一口に言っても、物件によって特徴は大きく異なるため、価格にも差が生じます。
この記事では、中古マンションをより安く購入するためのポイントや注意点について、様々な視点から詳しく解説します。
価格が安くなるマンションの特徴
マンションの価格は、一般的には魅力的で人気のある特徴や条件を備えているほど高くなることが多いです。
逆に言えば、価格が安いということは、他の人気物件と比べて何らかの欠点や問題がある可能性があると考えるべきです。
しかしながら、一般的な弱点であっても、人によっては特に気にならない場合も少なくありません。
そのような場合には、価格の安いマンションを見つけることができ、それが「お買い得物件」となるチャンスが生まれます。
もしもお得にマンションを手に入れたいのであれば、一般的には欠点とされている部分でも、自分にとっては気にならないというポイントを上手に見つけることが重要です。
例えば、マンションの立地が駅から少し遠いとか、周辺にはお店や施設が少ないといったことが挙げられます。
これらは一般的にはデメリットとされますが、自分自身にとっては問題ではない場合もあります。
ですので、自分の生活スタイルや希望条件に合わせてマンションを購入する際には、注意点を考慮しながらも自分にとって重要なポイントに目を向けることが近道と言えるでしょう。
以上のことから、マンションの価格には様々な要素が関わっていることが分かります。
価格が高い場合は人気のある特徴や条件を前提としていることが多く、価格が安い場合には何らかの弱点がある可能性があります。
しかし、自分にとっては気にならないという部分を上手に見つけることで、お得な物件を見つけることができるかもしれません。
最終的には、自分の生活スタイルや希望条件に合わせて、マンションを選ぶことが大切です。
立地が悪い
マンションの立地は、その価格に大きな影響を与えます。
一般的に、以下のような立地条件のマンションは、同じ条件を備えた他の物件に比べて価格が安くなる傾向があります。
例えば、駅までの徒歩時間が長い場合や生活の利便性が低い場所、都心から遠く離れた地方の場所、または最寄り駅に快速列車が止まらない場所などです。
交通アクセスは、通勤や通学の利便性に大きな影響を与えるため、多くの人にとって重要なポイントとなります。
しかし、リモートワークが中心である人や車での移動が苦にならない人にとっては、交通の利便性の低い立地にあるマンションは、お得に購入することができる可能性が高くなります。
ただし、立地の利便性が低いマンションを購入する際には、資産価値の低下に注意する必要があります。
特に、将来的に売却したり賃貸に出したりする可能性がある場合は、利便性の高いエリアと比べて価値が下がりやすくなってしまうため、注意が必要です。
また、車を手放す可能性や子どもの進学など、ライフスタイルの変化も考慮に入れて検討することも重要です。
立地条件は長い期間変化しないことが多いため、将来の生活スタイルの変化にも対応できるマンションを選ぶことが大切です。
専有面積が狭い
同じ基本条件の場合、専有面積が狭いマンションは価格が安くなります。
例えば、「子供が成長し、広いスペースが必要になるまで待つことができる」「荷物が少ないため、大きな収納スペースは必要ない」といった人は、通常よりも有利な条件で物件を探せるでしょう。
ただし、子育て世帯の場合は、子供の成長に応じて必要なスペースが増えてくることにも考慮する必要があります。
また、単身世帯や共働きの夫婦世帯など、コンパクトなマンションを探す場合には、住宅ローン控除の利用条件(床面積が原則として50平米以上)も確認しておく必要があります。
災害リスクがある
ハザードマップで浸水リスクのある土地や土砂災害警戒区域に指定されている土地は、その地域の不動産市場では通常よりも安い価格で物件が取引されています。
しかし、このような土地を購入する際には注意が必要です。
災害リスクは自身や家族の安全だけでなく、資産価値を守る上でも非常に重要な要素です。
特に浸水リスクの高いエリアでは、以下のような注意点があります。
●低層階の物件は避けること:高層階に住むことで、洪水や浸水の影響を受ける可能性を減らすことができます。
●避難ルートを細かく確認すること:万が一の際には、迅速かつ安全に避難するために、周辺の避難ルートや避難施設を事前に確認しておくことが重要です。
さらに、土砂災害警戒区域に位置する中古マンションを購入する場合には、以下の点にも注意が必要です。
●建物の損壊リスク:土砂災害が発生した場合、建物に損壊が生じる可能性があります。
古い建物や耐震性が低い建物は、特に慎重な検討が必要です。
●住宅ローン審査への影響:土砂災害警戒区域に位置する物件は、ローン審査においてリスク要素と見なされる場合があります。
購入前に、金融機関との相談や審査の事前確認を行うことが重要です。
以上のような点に留意しながら、ハザードマップや災害関連情報を参考にして物件選びをすることが、安全かつ資産価値を確保するために重要です。
日当たり・眺望に優れない
マンションでは、日差しの当たり方や景色も重要な要素とされます。
そのため、以下のような条件が揃っている場合、立地や広さに対して価格が割安になることがあります。
・目の前に高い建物がある(特に南側や東側)
・低層階に位置している
・周辺に大規模な建設予定があることに注意が必要です。
日差しの当たり方については、日中は外出しているため、気にする必要のない人も多くいます。
また、南向きの高層階は夏に暑くなりすぎるというデメリットもあるため、日差しの良さが必ずしもメリットだけをもたらすわけではありません。
ただし、一部の人は住んでから「部屋の湿気がこもりやすい」「周囲から室内が見えてしまう」などを気にする場合があるため、日差しや階数の影響については事前に情報を集めておくことが重要です。
管理状態が悪い
専有部分にはキズや汚れが目立っていたり、設備が古くなっていたりする場合は、もちろん価格は低くなります。
さらに、共用部分の管理状態が悪い場合は、買い手が見つかりにくくなり、通常よりも安い価格で売られることもあります。
注意が必要です。
マンションの管理状態は非常に重要な要素であり、マンションの寿命や住み心地に関わってきます。
長期的な居住を考えると、管理状態は特に優先すべき項目であり、妥協せずに評価して選ぶ必要があります。
また、管理状態が悪いマンションは修繕積立金の管理が不十分な場合もあります。
つまり、必要な金額が積み立てられていないリスクも高まるのです。
その結果、入居後に高額な修繕積立金を支払わなければならない可能性もあるため、全体的なコストを考慮すると、必ずしもお得とは言えない場合もあります。
築年数が古い
マンションの価格は、建物が築年数によって異なることがあります。
築年数が古い場合、建物の経年劣化が進んでいるため、立地や広さに比べて価格が安くなる傾向があります。
特に、築20~25年を超えると価格の下げ止まりが見られ、それ以降は値崩れが起こりにくい性質を持ちます。
ですから、価格の面で考えると、築20~25年がお得なタイミングと言えます。
築年数が経過した物件を考える際には、「1982年(昭和57年)」以降に建てられているかどうかを意識しておくと良いです。
その理由は、1981年6月以降、耐震基準が大幅に改正されているからです。
マンションは耐震基準によって、その寿命や建替えの可能性が大きく変わってきますので、注意が必要です。
また、住宅ローンの控除を利用する際にも、「1982年以降に建築または現行の耐震基準に適合している」ことが条件とされていますので、これも注意しておく必要があります。
値引き交渉を検討してみるのも1つの方法
マンションをお得に購入する方法として、値引き交渉を検討することがあります。
中古マンションの価格は、売り出し価格として提示されていますが、実際に交渉によって値下げしてもらうことも可能です。
そこで、値引き交渉のポイントや留意点について詳しくご説明します。
値引き額の相場
値引き額は、一般的には商品全体の10%程度までが一般的です。
ただし、もともと価格の高いマンションの場合は、値引き額も大きくなることがありますので、その点を考慮してください。
また、例えば物件価格が2,740万円であれば、2,700万円に値引きするような10万円単位での端数切り捨ての値引きであれば、相手側も現実的な値引き額として応じてくれる可能性が高いです。
値引き交渉のコツ
トラブルを避けるためには、値引き交渉は基本的に不動産会社の担当者を介して行います。
そこで、まずはじっくりと担当者と相談しておくことが重要です。
予算の事情や希望条件などを細かく伝えることで、より効果的な交渉ができます。
また、値引き交渉の難易度は売主側の事情によって大きく異なります。
例えば、「買い手がなかなか見つからず、久しぶりに内覧希望者が現れた」や「急な遠方への転勤で早急に手放さなければならない」といった状況があれば、通常よりも値引きに応じてもらえる可能性が高くなります。
このような情報を不動産会社の担当者に巧妙に尋ねることで、交渉の実を得ることもできます。
したがって、値引き交渉を成功させるためには、丁寧に担当者とのコミュニケーションを図り、売主の状況を探ることが重要です。
値引き交渉を行うときの注意点
人気のある物件では、他にも多くの人が購入を希望しているため、価格交渉に応じてもらうことが難しい場合があります。
特に、希望する値引きがあまりにも無理がある場合は、買い手として断られるリスクもありますので、注意が必要です。
中古マンションの場合、売り手も買い手も個人の場合が多いため、交渉をする場合は売り手の感情も考慮し、誠実な態度で接することが重要です。
まとめ
安いマンションにはいくつかの特徴があります。
例えば、マンション価格が相場よりも安い場合、それは以下のような理由が考えられます。
まず第一に、立地の利便性が低いことがあります。
例えば、市街地から離れていたり、公共交通機関へのアクセスが悪かったりすることが考えられます。
これにより通勤や買い物などの日常生活が不便になるかもしれません。
また、専有面積が狭いことも安いマンションの特徴です。
広々とした空間を求める人にとっては、この点はデメリットとなるかもしれません。
さらに、安いマンションは災害リスクがある場所に建っている可能性があります。
例えば、河川の近くや地震や洪水の影響を受けやすい地域などです。
これにより、安全性に対する不安が生じるかもしれません。
他にも、日当たりや眺望に優れないことがあります。
周囲の建物に遮られているため、十分な日光が入らず、景色が良くない場合もあります。
さらに、安いマンションは管理状態が悪いことがあります。
共用施設や共用部分の清掃や修繕が行き届いていない可能性があります。
これにより、住環境が悪くなる可能性があります。
最後に、安いマンションは築年数が古いこともあります。
築20〜25年を超えてくると、価格の下げ止まりとなる場合が多いです。
築年数が古いと、建物の劣化や老朽化が進み、修繕やメンテナンスの費用が増える可能性があります。
価格だけでなく、これらのデメリットを理解した上で、慎重に検討することが大切です。
また、マンションの価値は個人によって異なるため、一概に「築○年がお得」とは言えません。
しかし、価格の面から見ると、築20〜25年程度の物件がお買い得になる可能性は高いと言えます。