一般的には、派遣社員の方が住宅ローンを組むのは困難だと言われています。
その理由は、住宅ローンを申請する際には年収だけでなく、雇用形態も重視されるためです。
多くの銀行がこの点に注目しているからです。
しかし、最近では非正規雇用の人々が増えてきており、派遣社員でも住宅ローンの申請が通る場合や対応してくれる銀行も存在します。
この記事では、派遣社員でも住宅ローンの審査に通る場合や注意すべき点について詳しく解説していきます。
もし現在派遣社員であり、住宅ローンの利用を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
住宅ローンが通る条件
住宅ローンが承認されるための条件について、詳しくお話しいたします。
住宅ローンの審査では、大まかに以下の条件が重視されます。
雇用形態
住宅ローンは、家を買うために数千万円という大金を借り入れるものです。
なので、銀行側は返済能力があるかどうかを注意深く見極めます。
会社の業績が悪化した場合、派遣社員はリストラの対象になりやすい傾向があります。
したがって、銀行によっては、住宅ローンの審査において、アルバイトやパート、契約社員よりも正社員が有利とされることがあります。
正社員は、安定した雇用形態であるため、将来的にも収入が安定する可能性が高いと考えられます。
そのため、銀行は正社員の方が返済能力が高いと判断し、審査において有利な評価を行うことがあります。
年収
住宅ローンの審査では、申請者の年収のパートも重要な要素となります。
たとえ派遣社員であったとしても、借りるためには十分な年収を示す必要があります。
審査に通る可能性があるのは、十分な年収が確保されている場合です。
年収の目安は、一般的には最低でも300万円となっていますが、近年では年収200万円以上でも住宅ローンの申請が可能な場合もあります。
勤続年数
勤続年数が長いほど、定期的な収入が安定していることが認識され、ローンの審査において優位になる傾向があります。
多くの金融機関では、融資の条件として勤続年数が1〜3年以上であることを求めています。
また、転職回数が多い場合、たとえ正社員として働いていたとしても、住宅ローンの審査に影響を及ぼすことがあります。
年齢
住宅ローンを利用する際に最も重要なポイントは、安定した収入が維持できるかどうかです。
ローンを提供する金融機関によって異なる規定がありますが、一般的には借入時の最低年齢は20歳以上、最高年齢は75歳未満が一般的です。
そのため、ローンの審査ではまず年齢がチェックされます。
例えば、現在40歳の方が30年ローンを組む場合を考えてみましょう。
ローンの完済時には70歳になるため、既に定年退職している可能性があり、安定した収入が保証されていないと判断されることがあります。
また、20代前半の場合は会社のポジションやキャリアが不安定であると見なされ、審査に通らない場合もあります。
健康状態
住宅ローンを借りる際には、通常、団体信用生命保険に加入することが求められます。
団体信用生命保険は、返済不能な状況になった場合(例えば借りた人が亡くなったり、高度な障害を負ったりした場合)に、保険会社が借金の残高を支払ってくれるものです。
団体信用生命保険に加入する際には、自分の現在の健康状態を告知しなければなりません。
手術や重い病気を経験したことがある場合など、告知内容によっては保険に加入することができないことがあります。
その結果、住宅ローンの審査にも通らない可能性があります。
借金の返済状況・過去の返済履歴
金融機関は、住宅ローンを申し込む人の過去の借入履歴や現在の借入状況について調査します。
そのため、以前にショッピングローンの返済が遅れた経験があったり、ローンを申し込む時点で他の債務が残っている場合は、審査の結果に悪影響を与えることがあります。
住宅ローン審査に通るためにやるべきこと
住宅ローンの借り入れ条件を確認するとき、派遣社員の方々が住宅ローンを組むことが難しいという印象を抱かれる方も多いかもしれません。
借金を返済しておく
住宅ローンの審査を受ける前には、クレジットカードの残高やキャッシングの返済、その他ローンや借金を完済しておくようにしましょう。
なぜなら、借金はローン審査において非常に重要な要素となるからです。
借金を残したままでは、ローン審査で不合格になる可能性があります。
過去にクレジットカードやキャッシングの返済を遅延したことがある場合、この情報は信用情報機関に保存されています。
そして、信用情報は基本的に5年間保存されるため、遅延から5年が経ってからローン審査を申し込むことをおすすめします。
もし自身の信用情報を知りたい場合は、以下の信用機関に問い合わせることができます。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)、株式会社シー・アイ・シー(CIC)、株式会社日本信用情報機構(JICC)。
頭金を用意し、住宅ローンの借り入れ金額を減らす
住宅ローンの審査を通過する方法の1つは、多くの頭金を支払うことです。
これにより、借入金額と金利の負担額を減らすことができます。
借入額が大きくなるほど、審査が厳しくなる傾向があるため、できるだけ借入金額を少なくするために、住宅ローンを申請する際には頭金を用意することが重要です。
ただし、住宅を購入する際には、家具や工事費など、住宅購入に関連する費用も発生することを考慮し、それらの費用も予算に含めて頭金を用意する必要があります。
まとめ|派遣社員でも住宅ローンは組める!
住宅ローンの審査では、長期間にわたって安定した収入が確保できるかどうかが非常に重要とされます。
そのため、年齢、雇用形態、勤続年数、健康状態などが特に注目される要素となります。
派遣社員の場合、住宅ローンを利用できる金融機関は限られることがありますが、一定の勤続年数があり、他の返済履歴に問題がない場合はローンを組むことができる可能性もあります。
ただし、借り入れが可能であっても、将来のライフプランや返済能力をしっかりと把握した上で、無理のない範囲内でローンを組むことが非常に重要です。